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総務省実証事業・地域ICTクラブ「クラスジャパン」発表会レポート

〜子供たちのICT発想力・吸収力が大人の知見・予測を超えた日―大人は黙るー〜


昨年2019年、総務省の実証事業として、一般財団法人クラスジャパン教育機構が東京(恵比寿・池袋)・大阪(八尾)・愛知(名古屋)でオンライン会議アプリのZOOMを使用した複数地域リアルタイム遠隔活動「地域ICTクラブ」の作品発表会を、昨年末に実施しました。


総勢37人の小中学生が3ケ月間・平日週1日~2日・昼間3時間、最寄りのクラスジャパン街の元気学校に集まり、ネット上のプログラミングスクールに参加しました。


全員、平日学校に登校していない、いわゆる不登校と位置づけられる子供たちでした。


第一期は1ケ月間、サイバーエージェント関連会社CAテックキッズさんの協力により、キュレオという自学自習用コンテンツを利用し、ベーシックプログラム講座を開講。

基礎的なプログラミングスキルを学びました。


講師は東京の恵比寿拠点より各地域拠点とZOOMで繋ぎ、遠隔指導して頂きました。子供たちは自学自習用コンテンツによる進捗のため、各児童生徒のレベルに応じて自分のペースでスキルを学んでいました。


第二期は、東京大学田口助教授チームの協力により、マインクラフトという街づくりソフトウエアを活用した「東阪横断マラソンコースの街並み構築」を各拠点間繋いでのグループワークを実施、全員でプログラミングクリエイティブ活動を行いました。


参加した子供たちには、12月末に作品発表会を開催するというスケジュールとネット上の街を子供たち全員で創っていくこと、大きな方針と進め方は専門チームが立てるというルールを伝えスタートしました。


街づくりの始めとなるフィールドワークは、Googleストリートビューで探索し、それぞれの建造物を決定。

建築に当たってはスキルレベルの異なる子どもたちが互いに教え合い、東名阪の遠隔の子供たちがZOOMで語りながら街並みを作り上げていく段階においては、大人たちの干渉を必要とせず、子供たち同士が人間関係の一定の距離間を保ちながら、完成と言う目標に向けて活動を続けていくようになっていました。


そして、12月のクリスマス時に作品発表会を実施し、さらに子供たちは自分たちが構築した東阪横断マラソンロードを舞台としたマラソンゲーム化し、ゲーム大会を実施してくれました。


たった、3ケ月間、週1回の彼女ら彼らのプログラミングスクールの活動が、アクティブラーニングの重要な活動契機として捉えられている「学びの個別化・協同化・プロジェクト化の融合」をまさに体現してくれてくれました。


それも、現在学校に登校していない自宅で学んでいる子どもたちがです。


子どもたちは「他人の力を借りること、逆に他人に力を貸すことにより物事が進む」という社会に出るために身に付けてきおくべき素養を自分たちで経験し身に付けていました。


ICT社会に関しては、大人たちは経験則が低い社会です。ならば、大人がその狭い知見で子供たちに指し示すことは何の利得にもならず、必要なことは、いち早く子たちにICT社会のシミュレーションの場を用意することだけに徹することだと痛感しました。


発表会の時の子供たちの表情はなんと楽しそうだったことか。自ら学び、形にできた達成感が子供たちの自信に繋がったようです。



子どもたちが学ぶICT社会は大人が教えることは何もないでしょう。

教えることは、他人への敬意・寛容性を持つことでしょう。

そして、

そのことを教えることは、現在の学校現場の教員たちが最も得意とするところです。


今回の活動を通じて、クラスジャパンは、ICT社会を構築していく子どもたちと現在の学校現場の先生方が主体であることを主眼とし、学校現場と連携しながらICT社会の担い手である子供たちの能力が発揮できる場を早く・多く、提供することに全力を注ぎます。


付け加えて、過日、クラスジャパン地域ICTクラブに参加してくれた中学生が通っているフリースクールに伺い話を伺ったところ、その中学生は、是非続けてプログラミングを学びたいとのことでした。


ICT教育に関しては、大人は黙る。

子供たちに場を与えることに徹します。




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