オンライン学習を出席扱いにしてもらう手続き。誰に、いつ、何を伝えるか
不登校の子が自宅でオンライン学習をした日を、学校の出席扱いにできる制度があります。令和6年度には、全国で13,261人の小中学生が認められました。
この記事では、その先の話をします。実際にどう進めればいいのか、という手続きの部分です。
決まった申請書は、ありません
「出席扱いの申請書はどこでもらえますか」と聞かれることがあります。
実は、国が定めた全国共通の様式はありません。文部科学省は、一人ひとりの状況や学校・地域の実態が違うため一律の基準は示していない、としています。
そのうえで、学校や教育委員会が一定の基準を作成しておくことは必要である、とも書いています。
つまり、進め方は自治体や学校によって違います。書類を探すより、まず人に相談するほうが早い。ここが出発点です。
ステップ1 担任の先生に「相談」する
最初にやることは、申請ではなく相談です。
いきなり「出席扱いにしてください」と切り出すと、学校側も身構えます。制度を知らない先生もいます。おすすめの切り出し方はこうです。
「家でこういう形で学習を進めようと思っています。学校に相談しながら進めたいのですが、どうすればいいでしょうか」
ポイントは2つあります。「学校に相談しながら」と伝えること。そして、こちらがすでに学ぶ形を持っていると示すことです。
このとき、文部科学省が令和8年4月に公開したリーフレットを持っていくと話が早くなります。保護者向けと学校・教育委員会向けの2種類があり、どちらも文部科学省のサイトから印刷できます。「こういう制度があると聞きました」と資料を見せるほうが、口頭で説明するよりずっとスムーズです。
ステップ2 自治体に基準があるか確認する
次に確認したいのが、お住まいの自治体の基準です。担任の先生か、市区町村の教育委員会に聞いてください。
基準を定めている自治体では、たとえばこんなことが書かれています。
何分以上の活動を1日と数えるか(一単位時間、つまり小学校45分・中学校50分を目安にしている例があります)。
どういう施設や学習が対象になるか。学習指導が主目的の学習塾は対象にしない、としている例もあります。
基準があると聞くと構えてしまうかもしれませんが、逆です。基準がある自治体のほうが、話は早く進みます。判断の物差しがあるからです。基準がない場合は、学校と一から相談することになります。
ステップ3 学習の中身を紙1枚に書き出す
文部科学省は、認められなかった例として「学習のねらいや内容が明確でなかった」ケースを挙げています。逆にいえば、ここを準備できれば大きく前進します。
紙1枚でいいので、次のことを書き出してみてください。
どのサービスや教材を使うのか。
週に何日、1日どれくらいの時間か。
どの教科を、どの学年の内容から進めるのか。
誰が学習を見るのか。
学習の記録はどう残るのか。
フリースクールを利用している場合は、施設側にこの資料を用意してもらえないか聞いてみてください。慣れているところなら、学校提出用の書式を持っています。
ステップ4 報告の形を決める
制度は、校長先生が学習活動の状況を十分に把握していることを求めています。つまり、一度認められて終わりではなく、続けて状況が伝わる形が必要です。
決めておくとよいのは3つです。誰が報告するのか(保護者か、施設か)。どのくらいの頻度か(月1回が一般的です)。何を伝えるのか(参加した日、学習した内容、様子)。
ここを最初に決めておくと、あとの運用が楽になります。学校側にとっても、毎回どう扱うか悩まずに済みます。
ステップ5 校長先生の判断を待つ
最終的に判断するのは、在籍校の校長先生です。担任の先生から学年主任、管理職へと話が上がっていくのが一般的な流れです。
時間がかかることもあります。前例のない学校では、教育委員会に確認してから返事が来ることもあります。すぐに答えが出なくても、それは断られたということではありません。
認められると、どう記録されるのか
出席扱いになった日は、指導要録に記録されます。
文部科学省の通知によると、出席日数の内数として、出席扱いとした日数と、通所または入所した学校外の施設名を記入することになっています。
「内数」という点がポイントです。出席日数とは別枠で加算されるのではなく、出席日数のなかに含まれる形で記録されます。
成績評価も、あわせて相談してください
ここは見落とされがちなところです。
令和6年8月、学校教育法施行規則が改正され、欠席中に行った学習の成果を成績評価に反映できることが法令上はっきりしました。そして令和6年度、実際に81,467人の小中学生が指導要録に学習の成果を反映されています。
出席扱いよりも、こちらのほうが届いている人数は多い。
学校に相談するときは、「出席扱いにしてもらえますか」だけでなく、「学習の成果を成績に反映してもらうことはできますか」もあわせて聞いてみてください。2つは別の制度です。片方が難しくても、もう片方は進む場合があります。
断られたときにできること
残念ながら、すべてのケースで認められるわけではありません。通知は「出席扱いとすることができる」という書き方で、義務ではないからです。
それでも、できることはあります。
まず、理由を具体的に聞いてください。「学習の中身がわからない」なのか、「報告の形が決まっていない」のか、「前例がない」のかで、次の一手が変わります。
そして、スクールソーシャルワーカーに入ってもらうのも有効です。スクールカウンセラー(心理職)ではなく、ソーシャルワーカー(福祉職)です。学校と家庭と地域の資源をつなぐのが仕事なので、こうした調整はまさに専門分野です。
市区町村の教育委員会に直接相談することもできます。
相談を始めるのにいい時期
いつでも構いませんが、あえて言えば学期の区切りの前です。
成績評価は学期ごとに行われます。文部科学省の通知にも、最低限、学校における成績評価の通知の頻度に対応したタイミングで学習状況等の把握を行う必要がある、と書かれています。学期が始まる前に形が決まっていると、その学期から記録が残せます。
ただ、いちばん大事なのはタイミングよりも、お子さんの状態です。無理のないところから始めてください。出席扱いも成績評価も、その子が安心して次に進むための道具です。
クラスジャパン小中学園について
クラスジャパン小中学園は、オンラインのフリースクールです。自宅にいながら、オンラインの部活動や自習室など、さまざまな活動に参加できます。これまでに2000人以上の不登校の子どもたちをサポートしてきました。経済産業省「未来の教室」実証事業では、全国17自治体の教育委員会と連携し、不登校児童生徒のICT在宅学習モデルと学校内評価ガイドラインづくりに取り組みました。
学校への相談の仕方や、学習の中身をどう伝えればいいか迷っている方は、まず説明会でご相談ください。「まずは話を聞いてみたい」という方も歓迎です。
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